Profile
元パティシエの経歴を持ち、サービススタッフとして入社した後もキッチンのヘルプに入るなどで、その能力を存分に発揮している。休日は友人と食事やカフェ巡りをして過ごすため、意図せず業界研究になってしまうことも。色彩検定やラッピングクリエーターの資格を活かし、店舗内外の飾りつけを手掛けてみたいと話す。
お客様の笑顔のためにできること
私が働いているエブリワンズカフェ 上野恩賜公園は、上野動物園の近くにあり、週末などは息つく暇もないほど忙しい人気店です。オーダーを取ったり、料理を運んだりといった接客が主な仕事ですが、海外からのお客様も多く、宗教上食べられない食材やベジタリアン、グルテンフリー、アレルギー対応など、さまざまなご要望をいただくので、間違いがないように細心の注意を払い、お客様一人一人に寄り添った接客を心がけています。
後輩社員に対して、同じ社員の目線で接客に関するアドバイスをすることもあれば、食材や備品の在庫管理や発注の業務も行います。エスプレッソ豆のような日々使うものから、テイクアウト用のプラスチック食器といった備品まで、在庫管理が必要なものは多岐にわたります。数を把握し、足りなくなる前に発注するというのは、責任がある仕事だと感じています。
接客をするうえで私が最も大切にしているのは、「お客様目線で考えて、笑顔で接客する」ことです。お客様の様子だけでなく、スタッフがどこで何をしているのかを見て、手が足りないところにすぐに入ることを心がけています。具体的には、店内にいると気付きにくいテラス席のお客様の様子に気を配り、率先して対応するといったことを実践しています。
メニュー写真と同じお料理をお客様に提供するために、お皿の状態の確認も自主的にやっています。量が少なくないか、付け合わせを乗せ忘れていないかなど、自分で間違いに気づけるようにしておく。そんな、少しの工夫がお客様の満足につながっていたら嬉しいです。
パティシエの夢を実現し、新たなステージへ
子供の頃からパティシエになるのが夢で、製菓専門学校を卒業してすぐパティスリーに就職しました。個人経営のお店でスタッフも少なかったので、周りの状況を見て、自分にできる仕事が何かを考えて動けるようになったのは、ここでの経験のおかげです。
地域密着のお店だったので、お客様から直接感想を伝えていただいたり、食べたいものをリクエストされたりする機会もありました。お客様のご意見をもとに自分で開発した商品が、お店の人気商品となり、「美味しかった」と言ってもらえた時は感無量でした。
夢がかなって楽しかった半面、労働時間が長く週休は1日という状況で、長く続けるのは難しいと感じるようになり、転職を決意しました。とは言え、パティシエとしての経験は大事にしたかったので、カフェなどスイーツに関われる職場を探すことにしました。
色々なカフェを実際に食べ歩いてみたのですが、自然のあるゆったりした場所で働きたかったこともあり、興味を持ったのがエブリワンズカフェでした。実際に客として訪れて、スタッフの雰囲気や提供されている料理も見たうえで、「ここで働きたい!」と強く思えたことが応募の決め手になりました。
クリエイト・レストランツグループには、たくさんのグループ会社があり、業態も数えきれないほどあります。私にとっては働きたい店舗あってこその入社となりましたが、実際に働いてみてから、自分がやりたいことや働いてみたいお店を選べるという環境は、他にはない大きな魅力です。
実際、接客スタッフとして入社した私にも、パティシエの経験を活かす機会がありました。調理長は、私がパティシエだったことを知っているのですが、キッチンの人手が足りない時に、デザート作りを任せてくださったんです。
バースデープレートにメッセージを書いた時は、パティシエの経験があって本当に良かったと思いました。また、「作った料理をお皿に盛りつける」という作業はパティスリーで働いていた時には経験できなかったので、やっていてとても楽しかったです。
尊敬する店長や先輩に少しでも近づきたい
入社間もない頃には失敗もありました。上野公園には桜の時期にたくさんの人が訪れます。それに合わせてテイクアウトの注文が一気に増えるのですが、自分の発注ミスで使い捨ての食器が足りなくなってしまい、慌てて追加発注をする事態が発生してしまいました。
外国人のお客様のオーダーを間違えてしまったこともあります。口頭で確認し、お客様がうなずいてくれたのでオーダーを通したのですが、料理を持っていくと違うと言われてしまいました。それ以降は、必ずメニューを見せながら指差し確認するようにしています。
学生時代に飲食店でアルバイトをしていたのですが、当時は失敗したりお客様からクレームがあったりすると、落ち込んだ気持ちを引きずってしまうことが常でした。今はトラブルがあったとしても、きちんと謝罪し、何を間違ったのか、どうすれば同じことを繰り返さないのかを考えたうえで、気持ちを切り替えることができるようになっています。失敗をきっかけに業務の見直しができたことはもちろん、精神的に成長できていると感じる部分があるので、逆に失敗して良かったのかもしれません。
店長や先輩社員の皆さんも、気付きを与えてくれる大切な存在です。伝票の内容を見て、キッチンの状況を確認したり、お客様に料理を提供するまでにどれくらいの時間がかかっているのかを計ったり……。入社して1年半が経ち、その行動の意味が理解できるようになってきました。これからも、先輩の皆さんの仕事ぶりを真似しながら、お客様にとって最高の場所を創れるように、自分自身を更に成長させていきたいです。
今、ここで私が目指すもの
前職がパティシエということもあり、面接では「商品開発にも携わってみたい」という話をしました。実際に働いてみて、新しいデザートメニューの考案により魅力を感じるようになったのも事実です。パティスリーで販売するお菓子とは違う、キッチンスタッフの誰もが作れて、オーダーが入ってからお客様をお待たせすることなく、満足いただける一皿をメニューに載せるのが、今の私の目標です。
良いサービス、良い商品の提供には、従業員同士の関係性を良くすることも重要だと考えています。入社して間もないアルバイトスタッフの緊張をほぐすため、外国人スタッフがお店になじめるようにするため、一緒に働く仲間には常に自分から積極的に話しかけることを意識しています。
エブリワンズカフェでは、障がいを持つスタッフも働いています。会社でもグループ全体でも、様々な人が活躍できる環境が用意されていて、多様なバックグラウンドを持つ人たちが働いています。
そのような環境において力を発揮できるのは、仕事に真摯に取り組む姿勢を持ち、周りの状況をよく見て、何をすべきかを自分で判断できる人だと思います。私自身も、教わったことはメモを取り、顔を合わせたら挨拶をする、間違っていたら素直に謝るといった当たり前の礼儀を大切にしながら、これからも笑顔でお客様をお迎えしていきたいです。